んな発作を見た私たちは急いで町医者を迎え、喜どんがこのまま絶命するのではないかとじつに心配しました。診断の結果医者は、『癲癇《てんかん》[#「癲癇」は底本では「癩癇」]です』といい、なかなか業病で時々ところきらわず発作するのだがそのまま死ぬものではない。ただ舌を噛んだり頭をひどく打ったりするといけないから、本人も周囲の者も常に注意して、人込みの中に行かぬよう、精神を刺激せぬよう、もし再発したならば周章《あわ》てないで、人のいない室に静かにねかせて鎮静するのを待つがいいと言われました。その後三、四回発作がありましたが、成年に至り、からだも心も健全に近づくにつれて次第に遠のきました。
喜どんの発作は、芝居に夢中になったり小説に読み耽った後に起るのがきまりでしたが、これはあなた方もよく考えるべきことだと思います。
路加少年
路加《るか》という名はあなた方の耳にも珍しく聞えるでしょう。この少年は厳格なクリスチャンの家庭から託されたもので、新約聖書の中のルカというキリストの弟子の名を取ってこうつけたのだそうです。
路加はミルク・ホールに食パン配達を受け持っていました。ミルク・ホ
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