間修業をして欲しいのである。その上に事業に対する熱意があるならば、志は必ず酬いられねばならない。
 以上私はのれん[#「のれん」に傍点]分けの困難な理由、今の商売の容易でないことのみを述べたが、一方また現代は多くの新しい仕事と働き場所をもって諸君の進出を待っているのである。徳川時代三百年間に、日本の人口はおよそ二千五百万人から三千万人に増加したのみであるという。それが維新以来今日まで僅か七十年の間に三千万人の人口は七千万人に上り、しかもこれは内地在住の者のみを数えたのであって、この他に海外に出て大いに発展している同胞のあることを思えば、我々は何という勢い盛んな時代に生れたものであろう。そうして新時代の文化の複雑さはどれほど我々を恵み、我々の仕事をふやしていてくれるか知れない。のれん[#「のれん」に傍点]分けの望みこそ失せても、独自の道は開けている。諸君はこの新時代の新人として世に立つべく、大いに勇往|邁進《まいしん》すべきである。研究を怠り、また己を鍛えることを忘れて青春の時代を漫然と過ごした者は、やがて世間に出て落伍者とならねばならない。我々は諸君の大切な若き日に充分の自覚と正しき努
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