れる御註文の金高は、それ以前の御註文の四、五倍のものになったから、配達費の負担が著しく軽減し、手軽なものはお客様御自身で快くお持ち帰りになるようになり、正価は正価、配達料は配達料とはっきりして、店頭の売価において従来よりいっそうの勉強が出来るようになった次第である。もし一般商店と同様に遠距離まで無料配達を続けていたとすれば、その費用として商品の価におよそ一割くらいを加えなくてはとうてい立ち行かぬところであった。お客様に対してどちらが親切な仕方であるか、それは自ずから判るところであろう。
模倣を排す
私は店格ということをいい、これを店の持前持味というように解釈したが、ここではその店格なるものの根本について話してみたい。
人間はその面の異なる如く、その性質を異にし、神と崇められる者があれば悪魔と嫌われる者もあり、じつに千差万別、人生に複雑な妙味を現し、また尋常一様に見られる中にも個人個人で多少とも異なるところがあるものである。
ところがその各自異なる人間の仕事であるにもかかわらず、商店にはとかく雷同性が多く、個性の認められる店はきわめて少ない。そしてこの雷同性がいつも共倒
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