。またこれによって、望月氏が常に日歩十五銭もの金を使って仕事していることを知り、ああ彼はこの高利のために生命を縮めるのではないかと歎息したが、果たして氏はついに病いに倒れた。私は若き人々に前者の轍を踏ませたくない。無理な金を使って仕事をすることは固く戒めなくてはならない。

    店舗の改造は考えもの

 現在中村屋では毎日八、九千人のお客を迎え、販売部に製造部に喫茶部に二百七十人のものが懸命に働きつづけてなお手まわりかねる有様であって、わざわざお出向き下さったお客様を毎度お待たせし、御迷惑をかけることの多いのを見て私はひそかに恐縮している次第である。店員諸子がこれではならぬと思い、店を改造し、手をふやし、千客万来に備えて遺憾なきようにしたいと希望するのも、まことに道理《もっとも》のことであり、主人として諸子の熱心を深く感謝する次第である。
 しかも私が諸子の熱望を制して、店舗改造拡張のことを実現するの道に出ないのは何故であるか、改めてここに思うところを述べ、諸君にも考えてもらいたいと思うのである。
 我々はまず、今日世間で中村屋中村屋と推奨して下さって、日々こんなに大勢買いに来て下
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