ったが、いずれ特赦状と四万法とを持って来るだろう。この袋の中へ詰め込んだただの白紙が四万法だ! まあこれも、ルパン、貴様が人道のために尽した天の報償だよ。……多少思い切った酷い真似もやったさ。だが、こんな奴等は何んでも高圧的にグングン遣付けるに限る! オイ、頭を上げろ。ルパン! 貴様は虐げられた人道のために健気に奮闘した選手だ! 貴様の行動を誇れよ……さあ、今こそ椅子にふん反り返って長々と手足を延ばして、一寝入しろ。貴様は勝った。それだけの資格があるのだ!……』
 彼は警視庁官房主事室で独りぐっすりと睡りに落ちた。……
[#地から12字上げ](終)



底本:「「新青年」復刻版 大正10年(第2巻) 合本5」本の友社
   2001(平成13)年1月10日復刻版第1刷発行
底本の親本:「新青年 (第二巻第九號)夏季増刊」
   1921(大正10)年8月
初出:「新青年 (第二巻第九號)夏季増刊」
   1921(大正10)年8月
※「旧字、旧仮名で書かれた作品を、現代表記にあらためる際の作業指針」に基づいて、底本の表記をあらためました。
その際、以下の置き換えをおこないました。

前へ 次へ
全137ページ中134ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
新青年編輯局 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング