きは、國会だけできめずに、國民が、賛成か反対かを投票してきめることにしました。
 まず、國会の一つの議院で、ぜんたいの議員の三分の二以上の賛成で、憲法をかえることにきめます。これを、憲法改正の「発議」というのです。それからこれを國民に示して、賛成か反対かを投票してもらいます。そうしてぜんぶの投票の半分以上が賛成したとき、はじめて憲法の改正を、國民が承知したことになります。これを國民の「承認」といいます。國民の承認した改正は、天皇陛下が國民の名で、これを國に発表されます。これを改正の「公布」といいます。あたらしい憲法は、國民がつくったもので、國民のものですから、これをかえたときも、國民の名義で発表するのです。

[#8字下げ]十五 最高法規[#「十五 最高法規」は中見出し]

 このおはなしのいちばんはじめに申しましたように、「最高法規」とは、國でいちばん高い位にある規則で、つまり憲法のことです。この最高法規としての憲法には、國の仕事のやりかたをきめた規則と、國民の基本的人権をきめた規則と、二つあることもおはなししました。この中で、國民の基本的人権は、これまでかるく考えられていましたので
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