んどの」は底本では「こんごの」]憲法は、内閣総理大臣は、國会の議員の中から、國会がきめて、天皇陛下に申しあげ、天皇陛下がこれをお命じになることになっています。國会できめるとき、衆議院と参議院の意見が分かれたときは、けっきょく衆議院の意見どおりにきめることになります。内閣総理大臣を國会できめるということは、衆議院でたくさんの議員をもっている政党の意見で、きまることになりますから、内閣総理大臣は、政党からでることになります。
 また、ほかの國務大臣は、内閣総理大臣が、自分でえらんで國務大臣にします。しかし、國務大臣の数の半分以上は、國会の議員からえらばなければなりません。國務大臣は國の行政をうけもつ役目がありますが、この國務大臣の中から、大蔵省、文部省、厚生省、商工省などの國の役所の長になって、その役所の仕事を分けてうけもつ人がきまります。これを「各省大臣」といいます。つまり國務大臣の中には、この各省大臣になる人と、たゞ國の仕事ぜんたいをみてゆく國務大臣とがあるわけです。内閣総理大臣が政党からでる以上、國務大臣もじぶんと同じ政党の人からとることが、國の仕事をやってゆく上にべんりでありますから、國務大臣の大部分が、同じ政党からでることになります。
[#挿絵10(fig43037_10.png、横386×縦570)入る]
 また、一つの政党だけでは、國会に自分の意見をとおすことができないと思ったときは、意見のちがうほかの政党と組んで内閣をつくります。このときは、それらの政党から、みな國務大臣がでて、いっしょに、國の仕事をすることになります。また政党の人でなくとも、國の仕事に明かるい人を、國務大臣に入れることもあります。しかし、民主主義のやりかたでは、けっきょく政党が内閣をつくることになり、政党から内閣総理大臣と國務大臣のおゝぜいがでることになるので、これを「政党内閣」というのです。
 内閣は、國の行政をうけもち、また、天皇陛下が國の仕事をなさるときには、これに意見を申しあげ、また、御同意を申します。そうしてじぶんのやったことについて、國民を代表する國会にたいして、責任を負うのです。これは、内閣総理大臣も、ほかの國務大臣も、みないっしょになって、責任を負うのです。ひとり/\べつ/″\に責任を負うのではありません。これを「連帯して責任を負う」といいます。
 また國会のほうでも、
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