わしが立つ」
「夜は、目のいいわかい者の方がいい。見はりは、水夫が引き受けた」
 十六人のなかで、いちばんせいが高くて、声の大きい名物男、姓は川口、名は雷蔵《らいぞう》という会員が、
「せいの高い私が、いちばんいい。いちばん遠くが見えるりくつだ。これできまった。私が見はり番だ」
 その名のとおりの、雷声《かみなりごえ》でどなった。
 すると小笠原は、しずかに、
「年よりのいうことをきくものだ。今夜は、おいらがいいのだ。そのわけは、船長が知ってござる。とうぶんは、おいらが夜の見はり番だ。わかい者は、昼間、力仕事がある。夜はよく眠ることだ」
 みんなを、さとすようにいうのであった。
 小笠原のいうとおりだ。夜の見はりは、よほど考えなければならない。たった一人で、あてもない暗い夜の海を見はっているのだ。つい、いろいろのことを考えだして、気がよわくなってしまう心配がある。とうぶんのあいだは、老巧な小笠原と、水夫長と、たびたび難船している、漁夫の小川と杉田がいい。この四人を、夜の当番にきめよう。私は、腹をきめた。
「夜の見はり番は、年のじゅんにきめる。今夜は、小笠原と水夫長に、交代で立ってもらう
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