と降りていってね、御用だ、神妙にしろと大みえをきるなんてえものは、まったく江戸のあの娘《こ》たちに見せてえもんですよ」
ゆられゆられて道は、その三島まで三里二十八町のくだり坂、もうこうなれば道も早いが捕物《とりもの》も早い。
たどりついたのは丑満《うしみつ》少し手前でした。しかし、いかな真夜中とはいえ、ひとたびご宝物ご通行、宿止めの声がかかったからには、色めきたたぬという道理はない。本陣わき、本陣の前はいうに及ばず、宿場会所の前からずっとこちらへ人の波がざわめき、うねりつつ待ちうけているところへ、ほんとうにのっそりと二丁の駕籠をつけて、のっそりと中から現われたのは右門主従。
ひょいと見ると、宿場会所の前の人波のうしろに、ある、ある、柄に白布を巻いた駕籠があるのです。
同時でした。
「行徳助宗、神妙にしろッ」
「えッ……」
ぎょっとなって、駕籠の横からのぞかせたその顔へ、じつにみごとな啖呵《たんか》がまっこうくだしにおそいかかりました。
「たわけめッ。むっつり右門が生きておるからにゃ、どこまでとっ走ろうとも、六十余州ひとにらみに目がきかあ! そら! そら! それがたわけだという
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