右門捕物帖
献上博多人形
佐々木味津三
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)献上|博多《はかた》人形
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)献上|博多《はかた》人形
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#「思ってらっしゃる」は底本では「思ってらしゃる」]
−−
1
――その第二十七番てがらです。
場所は芝。事の起きたのは、お正月も末の二十四日でした。風流人が江戸雪といったあの雪です。舞いだしたとなると、鉄火というか、伝法というか、雪までがたいそうもなく江戸前に気短なところがあって、豪儀といえば豪儀ですが、ちらりほらりと夜の引きあけごろから降りだしたと思ったあいだに、たちまち八百八町は二寸厚みの牡丹雪《ぼたんゆき》にぬりこめられて、見渡すかぎりただひと色の銀世界でした。風がまたはなはだしく江戸前にわさびのききがよくて、ひりひりと身を切るばかり。――しかし、二十四日とあらば、寒い冷たいの不服はいっていられないのです。あたかもこの日はお二代台徳院殿様、すなわち前将軍|秀忠《ひでただ》公のご忌日に当たるとこ
次へ
全54ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
佐々木 味津三 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング