そって一丁ばかり上ると、その左手に、旧藩主の茶亭のあとがあり、そこの庭園は誰でも自由にはいれることになっていた。五人はその庭園にはいり、池の近くの芝生に腰をおろした。
 話題は自然次郎の問題に集中された。しかし、もう誰も次郎の処分の有無を気にかけているものはなかった。道江でさえ、「小父さまがあんなお気持でいて下さるから大丈夫ね」と言い、また、「東京に行って朝倉先生のお世話になれたら、次郎さんは却っておしあわせだわ」とも言った。問題の中心は、次郎が俊亮に与えられた課題だったが、これは雲をつかむようで、みんなが始末にこまった。恭一は、
「立つ鳥はあとをにごさず、といったようなことかね。」
 と、言い、大沢は、
「いや、学校側に一本釘をさしておけ、というんだろう。」
 と言ったが、結局、そんな程度のぼんやりした解決以上には進展しそうになかった。
 次郎本人は、その問題ではほとんど口をきかなかった。彼はむっつりして、いつも池の水ばかりを見つめていた。そして、みんなの話が行きつもどりつしている間に、ふいと立ちあがって、ひとりで池の向側の築山をのぼり、その裏側の竹林の中にはいって行った。
 彼は問
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