ルハ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]」(palhava)とも申しまして、俗語から來たものである事は貨幣または碑文から證明せられてありますから、一概に花の蕾王朝、乃至若芽王朝など云ふ陽氣な景氣のよい名前に解することは出來ませぬ。而してパツフラ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]とかパツルハ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]とか云ふ俗語の形は、純粹のインド、アーリヤ系の言葉とも見えませぬ。寧ろ別の系統の言葉から轉訛したものの樣でありますから、之に便乘してパルテイヤ即ち支那で申しまする安息《アルサケス》國の國名と同一であつて、パツラ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]即ちパールダ※[#濁点付き片仮名ワ、1−7−82]説が出現して、一時は西洋の印度波斯學者の間に殆んど定説のやうになりましたのであります。序ながら申上げますが、パルテイヤ Parthia と申しますのもペルシヤと申しますのも畢竟するに方言的發音の相違で、東部北部のイラーン高原邊陲の波斯帝國の部分ではパルテイヤと申しまして舊い形を保有し、西部南部のイラーン高原の部分ではテイがシとなつて Parasia Persia と
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