しさでした。西洋料理店で珍味の到来をまつ子供のあのたのしい心境でした。
「成功をまつ」
「OK。チェリオ」
それより例の如くにメートルをあげて両名は飲めや笑えやです。毎晩が最高潮に達しているのですから、いつもにまして、というわけには参りませんが、賑やかなことでした。こうして翌日、セラダはさすがに緊張と、しかし勇気リンリン武者ぶるいをして戦線についたわけです。
その日の午後二時前後に池袋の某金融金庫をでて練馬方面へ向う自動車があったのです。この車に二千万円の現金入りの袋がつみこまれています。これはさる事業に用いる金で、この事業には法本が関係していました。この日の金の現送は法本ほか十名ほどの人が知るだけです。法本も練馬の方でこの金の到着を待っている一人でした。
ところがいつまで待ってもこの金は来ませんでした。来ないわけです。人家からはなれた路上で自動車は路から落ちて止っていました。運転手と係りの者二名は、車中でピストルに射たれて死んでいましたし、路上にも運の悪い通行人が一人射たれて死んでいたのです。現金袋は申すまでもなく盗まれていました。
これがセラダ一人のちょッとした事業だったわ
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