笑したが、助六は落ちつき払って答えた。
「ここは御神木の倒れた場所だから、大当りうけあいだ。客も大当り、店は尚のこと大当り、神様の加護がある場所だ」
しかし店は繁昌しなかった。昔憲兵伍長だった男が彼のこの挙を評して、ヒットラーの策戦よりも意表をつくものだと云ったが、どうやら助六もヒットラーと同じように失敗した様子である。要するに餅のタタリだと云われている。
底本:「坂口安吾全集 14」筑摩書房
1999(平成11)年6月20日初版第1刷発行
底本の親本:「講談倶楽部 第六巻第一号」
1954(昭和29)年1月1日発行
初出:「講談倶楽部 第六巻第一号」
1954(昭和29)年1月1日発行
入力:tatsuki
校正:藤原朔也
2008年5月10日作成
青空文庫作成ファイル:
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