大阪の反逆
坂口安吾
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)翹望《ぎょうぼう》
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)悪臭|芬々《ふんぷん》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「さんずい+(壥-土へん-厂)」、第3水準1-87-25]
/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)よた/\
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将棋の升田七段が木村名人に三連勝以来、大阪の反逆といふやうなことが、時々新聞雑誌に現れはじめた。将棋のことは門外漢だが、升田七段の攻撃速度は迅速意外で、従来の定跡が手おくれになつてしまふ(時事新報)のださうで、新手の対策を生みださぬ限り、この攻撃速度に抗することができないだらう、と云ふ。新らたなるものに対するジャーナリズムの過大評価は見なれてゐることだから、私は必ずしもこの評判を鵜のみにはしないが、伝統の否定、将棋の場合では定跡の否定、升田七段その人を別に、漠然たる時代的な翹望《ぎょうぼう》が動きだしてゐるやうな
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