。
老蝮は命が助かったばかりではなく、信貴《しぎ》の本城をそのまゝ許され、大和一国はその切りとりに任かされたのである。
悪魔同志の友情であった。老蝮はさっそく御礼に参上して、最も熱心に、そのウンチクをかたむけて、あれかれと政治むきの助言をしていた。この不可思議の友情は、然し、大いに清潔なものであったと云わねばならぬ。人間どもには分らない謎なのである。そもこの友情はいかに育ち、いかに破れるに至るであろうか。
[#地付き](未完)
底本:「坂口安吾全集 07」筑摩書房
1998(平成10)年8月20日初版第1刷発行
底本の親本:「季刊作品 第一号」創芸社
1948(昭和23)年8月10日発行
初出:「季刊作品 第一号」創芸社
1948(昭和23)年8月10日発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5−86)を、大振りにつくっています。
入力:tatsuki
校正:土井 亨
2006年7月11日作成
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