ル子はおなかを抑えて、ふきだしてしまった。
「では、手筈をととのえてきましょう」
と、サルトルは意気ヨウヨウと、いずれへか姿を消した。
その十五 計略大成功のこと
翌日。
二人は正午かっきり、小田原の天草商事の別荘へつく。
こちらは、天草商事の面々。
才蔵にみちびかれて、三羽烏が山林の奥へと、さまよっている。
「オイ。シッカリしろ。まだ見当がつかないのか」
「よせやい。いつもと別の方向から忍びこんできたんだもの、カンタンに見当がつかねえや。第一、サルトルを甘く見ちゃ、いけないよ。ツルちゃんを張りこませたって、どうなるものか。埋めかえなら、早いとこ、昨日の昼うちに、やらかしてるよ。アイツのすばやいッたら、ありゃしねえや」
「アッハッハ。ツルちゃんが心配で、目がくらんでやがら。仁丹でも、やろうか」
「よけいなお世話だ」
しかし、さすがに才蔵、目から鼻へぬける才覚、たとえ密林の中でも、一度覚えた目ジルシは忘れない。
「わかったよ。ここだ」
掘ったあとがハッキリして、すぐ分った。
「雲さんよ。ほってくれよ」
「バカにするない。オレは案内人だい。半平、自分で、ほりやがれ」
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