いう大人の風格があるよ」
 と、感心したのか、ひやかしたのか、わけのわからないことを長平が言うと、せつ子はなさけなそうに苦笑して、
「ゴキゲンとりむすぶの、つらい。息苦しくなるのよ。でも、こんな、息ぬきに散歩にでたりして、とても一流じゃないわね」
 そして、道ばたの犬に、じれったそうに口笛をふいた。
「記代子と青木はどうしてる? まさか、死にもしないだろうね」
 せつ子は驚いて長平を見つめた。
「どうして、知ってらッしゃるの?」
「穂積君がきかせてくれたのさ」
「知られぬ先に、処分しようと思っていたのに」
「処分て?」
 せつ子はボンヤリ口をつぐんでいた。

       三

「処分とは、おだやかならんね」
 重ねて、こう問いかけると、せつ子はものうそうに目をうごかして、
「誰にも知られないうちにと思っていたのよ」
「だって、ぼくは叔父じゃないか」
「だから、尚さらのことよ。こんなこと、肉親は知る必要のないことよ」
「そういうもんかね」
「わかってるくせに」
 せつ子は悠々と歩いていた。
「記代子さんは見かけによらぬアマノジャクよ。ダタイなさいとすすめても、フンという顔よ。私を嘲ける
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