だ。なア。あんたには、いくらか、わかるだろうな。オレの愛情というものがさ」
「自分だけ、偉いと思ってやがるな」
「チンピラはだまってろ。オレが偉いと思ってりゃア、こんな子供のところへ甘ったれに来やしないやね。天に向ってツバを吐いてるのだぜ。お前さんなんぞは、ツバは地に吐いてると思ってやがる。それしか知らねえのだからさ。お前なんかに可愛がられちゃ、人間はオシマイなのさ。ひもじいパンパンや学生かなんかに、オデンを一皿めぐんでやって、けっこう善事をはどこしたと満足してやがら。うすぎたないぜ、この町は。しみッたれた人情がしみついてるよ。軽蔑されたいとか、憎まれたいとか、肝心なことは忘れてやがる」
「でろ」
 オヤジは店の外へまわってきて、青木を突きだした。
「そんなことしか、知らねえな。そうだろうと思っていたのさ。なア、おッさんや。お次は、パンパンと、ひッぱたくか。よかろう。やってもらいたいね」
「おのぞみかい」
 四ツ五ツ往復ビンタをくらわせた。青木はせせら笑って、なぐられるままに、まかせていた。
 オヤジはふりむいて、店へひッこんだ。青木は追わなかった。ふらふらと放二のアパートへあがりこみ
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