んなことがしたいんです」
「ひどい方」
 せつ子は媚をためて睨んだ。
「なぜ青木さんに変な名刺もたせてよこしたんです。イタズラッ児。もっと悪意にとったわ。でもね。イタズラッ児の仕業と思って我慢してあげたんです」
「悪意にとっても、かまわんのさ」
「先生は私を悪い女とお思いなんでしょうね」
「そうきめてかかれば、わざわざあなたを見物に来やしないさ」
「私は同情はキライなんです。そして、ジメジメした人情も」
「キライと好きは生涯ハッキリしませんよ」
 せつ子は長平の手を両手でとって、グイとにじりよって、大胆に見つめた。
「先生は私のどこがお好きなの」
「今日のあなたは一流だよ」
「ヒョッと思いついただけよ」
 せつ子は静かに唇をよせて、
「先生は一流ね。なんでも、ヘイチャラなのね。一流でなければダメだわ。青木さんなんか、ダメ」
「一流の人間は三流四流を好むものかも知れないよ」
「じゃア、私は四流のパンパンよ」
 せつ子は長平のクビにまいた腕にグイと力をこめて、下へ倒れた。泣声をたてて、唇を押しあて、せつ子は理性を失った別人であった。唇をはなして、
「さっきの裸体は踊子よ。私の裸体は、もっと
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