としている、すなわち勝利を得んとしてるのだ。諸君、今日の事はいかになりゆこうとも、敗れることによってまた打ち勝つことによって、われわれがなさんとするのは一つの革命である。火災が全市を輝かすように、革命は全人類を輝かす。しかもわれわれはいかなる革命をなさんとするのか。それは今言うとおり真実なるものの革命である。政治的見地よりすれば、ただ一つの原則あるのみだ、すなわち人間が自らおのれの上に有する主権である。この自己に対する自己の主権を自由[#「自由」に傍点]という。この主権の二個もしくは数個が結合するところに国家がはじまる。しかしその結合のうちには何ら権利の減殺はない。個々の主権がその多少の量を譲歩するのは、ただ共同的権利を造らんがためである。その量は各人皆同等である。各人が万人に対してなすこの譲歩の同一を、平等[#「平等」に傍点]と言う。共同的権利とは、各人の権利の上に光り輝く万人の保護にほかならない。各人に対するこの万人の保護を、友愛[#「友愛」に傍点]という。互いに結合するあらゆる主権の交差点を、社会[#「社会」に傍点]という。その交差は一つの接合であって、その交差点は一つの結び目で
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