を忘れた上きげんで、端から端まで笑いさざめいていた。
食後の茶菓子の時になって、ジルノルマン氏はたち上がり、九十二歳の高齢のために手が震えるのでこぼれないようにと、半分ばかり注がしたシャンパンの杯を取り、新夫婦の健康を祝した。
「お前たちは二度の説教をのがれることはできない。」と彼は声を張り上げた。「朝に司祭の説教があり、晩に祖父の説教があるのだ。まあわしの言うことを聞くがいい。わしはお前たちに一つの戒めを与える、それは互いに熱愛せよということだ。わしはくどくど泣き言を並べないで、すぐに結論に飛んでゆく、すなわち幸福なれというのだ。万物のうちで賢いのはただ鳩《はと》だけである。ところが哲学者らは言う、汝の喜びを節せよと。しかるにわしは言う、汝の喜びを奔放ならしめよと。むちゃくちゃにのぼせ上がるがいい、有頂天になるがいい。哲学者どもの言うことは阿呆《あほ》の至りだ。彼らの哲学なんかはその喉《のど》の中につき戻すがいいのだ。かおりが多すぎ、開いた薔薇《ばら》の花が多すぎ、歌ってる鶯《うぐいす》が多すぎ、緑の木の葉が多すぎ、人生に曙が多すぎる、などということがあり得ようか。互いに愛しすぎる
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