の戯曲「タルテュフ」の主人公で偽善者の典型[#ここで割り注終わり])のように何となく怪しい臭気を放っている。
全体より見れば汚水の掃蕩《そうとう》は下水道が文明に尽す務めであるから、そしてこの見地よりすれば、タルテュフの良心はアウジアスの家畜小屋([#ここから割り注]訳者注 牛が三千頭もいながら三十年も掃除をしたことのないという物語中の家畜小屋[#ここで割り注終わり])よりも一進歩というべきであるから、確かにパリーの下水道は改善されたわけである。
それは進歩以上である。一つの変形である。昔の下水道と現今の下水道との間には、一大革命がある。そしてその革命はだれがなしたか? 吾人が上に述べた世に忘られてるブリュヌゾーである。
六 将来の進歩
パリー下水道の開鑿《かいさく》は、決して些々《ささ》たる仕事ではなかった。過去十世紀の間力を尽しながら、あたかもパリー市を完成することができなかったと同様に、それを完成することはできなかった。実際下水道は、パリーの拡大からあらゆる影響を受けている。それは地中において無数の触角をそなえた暗黒な水※[#「虫+息」、308−14]《すいし
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