b烽ネく、狂猛な無知もなく、血腥《ちなまぐさ》い復讐《ふくしゅう》もないだろう。もはやサタンもないとともに、ミカエル([#ここから割り注]訳者注 戦の天使[#ここで割り注終わり])もないだろう。未来には、何人《なんぴと》も人を殺すことなく、地は輝き渡り、人類は愛に満たさるるだろう。諸君、すべてが一致と調和と光輝と喜悦と生命とであるべき日も、やがては来るだろう。そしてわれわれがまさに死なんとするのは、そういう日をきたさんためである。」
 アンジョーラは口をつぐんだ。その潔い脣《くちびる》は再び閉じた。そして彼は血を流したその場所に、しばらく大理石のような不動の姿で立ちつくしていた。彼のじっと据わった目は、周囲の人々をして声を低めさした。
 ジャン・プルーヴェールとコンブフェールとは、黙って手を握り合い、防寨《ぼうさい》の角《かど》で互いに寄り添って、死刑執行者であるとともにまた牧師であり、水晶《すいしょう》のごとき光輝であるとともにまた巌《いわお》である、その厳乎《げんこ》たる青年を、同感のこもった嘆賞の心でうちながめていた。
 あとでというよりも今ここにすぐ言っておくが、戦いの後に、す
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