スんだ。」
 それらのことはきわめてすみやかに行なわれたので、居酒屋のまわりにいた者らがそれと気づいた時は、もうすべてが終わっていた。ジャヴェルは声一つ立てなかった。ジャヴェルが柱に縛りつけられたのを見て、クールフェーラックとボシュエとジョリーとコンブフェールと、二つの防寨《ぼうさい》に散らばっていた人々とは、そこに駆けつけてきた。
 ジャヴェルは柱を背に負い、身動きもできないほど繩《なわ》で巻きつけられていたが、かつて嘘《うそ》を言ったことのない男にふさわしい勇敢な沈着さで頭を上げていた。
「こいつは間諜《スパイ》だ。」とアンジョーラは言った。
 そして彼はジャヴェルの方へ向いた。
「防寨《ぼうさい》が陥る十分前に君を銃殺してやる。」
 ジャヴェルはその最も傲然《ごうぜん》たる調子で言い返した。
「なぜすぐにしない?」
「火薬を倹約するためだ。」
「では刃物でやったらどうだ。」
「間諜、」と麗わしいアンジョーラは言った、「われわれは審判者だ、屠殺者《とさつしゃ》ではない。」
 それから彼はガヴローシュを呼んだ。
「お前は自分の用をしないか。僕が言いつけたことをやってこい。」
「今いく
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