チくり返されて、その車輪にさし込んだ支柱や板で固められ、錯雑していかんともし難い光景を呈していた。人ひとり通れるくらいの切れ目が、居酒屋に遠い一端と人家の壁との間に設けられていて、どうにか出入りができるようになっていた。乗り合い馬車の轅《ながえ》は、まっすぐに立てられ繩《なわ》で結えられて、その先につけられた赤旗が防寨《ぼうさい》の上に翻っていた。
 モンデトゥール街の小さな防寨は、居酒屋の後ろに隠れて見えなかった。その連結した二つの防寨は、まったく一つの角面堡《かくめんほう》であった。アンジョーラとクールフェーラックとは、モンデトゥール街の他の一方には防寨を設けなくてもいいと考えた。それはプレーシュール街をぬけて市場町への出口となっていた。彼らはおそらく、できるならば外部との連絡を保たんと欲し、また危険で困難なプレーシュール小路からの攻撃をあまり恐れなかったのであろう。
 フォラールがその戦略上の言葉で鋸歯壕《きょしごう》とも呼びそうなものを形造ってるその自由な出口を外にし、またシャンヴルリー街につけられてる狭い切れ目を別にすると、居酒屋がつき出ている防寨内部は、四方を城砦《じょうさ
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