ナあって、別に仕方がなかったのである。「まあ、まあ!」とユシュルー上《かみ》さんはため息をついていた。
 ボシュエはクールフェーラックに会いにおりていった。
 窓によりかかっていたジョリーは叫んだ。
「クールフェーラック、雨傘《あべがさ》ぼって来るとよかったんだ。風邪《かぜ》を引くよ。」
 そのうちにやがて、居酒屋の店先の鉄格子《てつごうし》から多くの鉄棒はぬき取られ、十間ばかりの街路は舗石《しきいし》をめくられた。ガヴローシュとバオレルとは、アンソーという石灰屋の荷馬車を通りがかりに奪い取って、それをひっくり返した。馬車には石灰をつめこんだ樽《たる》が三つのっていたので、彼らはそれを下敷きにして舗石《しきいし》を積んだ。アンジョーラは窖《あなぐら》の揚げ戸を開いた。そしてユシュルー上《かみ》さんの空《から》の酒樽《さかだる》は皆石灰樽の横に並べられた。フイイーはいつも扇の薄い骨を彩色するになれた指で、切り石を二所《ふたところ》につんで石灰樽や馬車のささえにした。その切り石も他の物と同じく即座に取ってこられたもので、どこで得られたのかわからなかった。近くの家の正面からいくつもの支柱がぬ
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