Gは言った。
「だが挨拶《あいさつ》もたいていにしろよ。俺《おれ》たちの邪魔をするな。」
「狐《きつね》が出る時分だ、雛鶏《ひよっこ》の出る幕じゃねえ。」とモンパルナスは言った。
「見るとおり俺たちはここで用があるんだ。」とバベは言い添えた。
 エポニーヌはモンパルナスの手を取った。
「気をつけろよ、」と彼は言った、「けがをするぞ。どす[#「どす」に傍点]を持ってるんだ。」
「まあモンパルナス、」とエポニーヌはごく静かに答えた、「仲間の者はお互いに信用するものよ。あたしはお父さんとかの娘よ。バベさん、グールメルさん、この仕事を調べるように言いつかったのはあたしよ。」
 注意すべきことには、エポニーヌは隠語を使っていなかった。マリユスを知って以来、彼女はその恐ろしい言葉を口にすることができなくなっていたのである。
 彼女は、骸骨《がいこつ》の手のような骨立った弱々しい小さな手で、グールメルの荒々しい太い指を握りしめて、言い続けた。
「皆《みんな》も知ってるとおりあたしばかじゃないわ。いつもあたしを信じてくれるじゃないの。何度も用をしてやってるわ。ここもいろいろ調べてみると、骨折っても全く
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