さはその偉大さにふさわしいものだった。
 その記念物は、荒々しく、太々しく、重々しく、粗雑で、いかめしく、ほとんどぶかっこうであったが、しかし確かに堂々たるもので、一種壮大野蛮な威厳をそなえていた。がついに消えうせてしまって、九つの塔を持った陰惨な牢獄《ろうごく》の城砦《じょうさい》の跡に立った、煙筒のついた大きなストーブみたいな記念碑を、平和にそびえさした。それはあたかも、封建制度の後に中流階級がやってきたようなものである。勢力は鍋《なべ》の中に存するという一時代の象徴がストーブであることは、至って自然なことである。しかしそういう時代もやがて過ぎ去るだろう。否既に過ぎ去りつつある。強力は釜《かま》の中にあるとしても、勢力は頭脳の中にあるのほかはないということが、既に了解され始めている。言葉を換えて言えば、世界を導いてゆくものは、機関車ではなくて思想であるということが。機関車を思想につなぐはいい、しかし馬を騎士と誤ってはいけない。
 それはとにかく、バスティーユの広場に戻って言うならば、象の建造者は漆喰《しっくい》をもって偉大を作り上げることができ、ストーブの煙筒の建造者は青銅をもって
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