カルタ賭博者《とばくしゃ》―― tiers et tout, refait de pique.([#ここから割り注]カルタの特殊の手[#ここで割り注終わり])
ノルマン島の執達吏[#「執達吏」は底本では「執達史」]―― 〔L'affieffeur s'arre^tant a` son fonds ne peut cla^mer les fruits de ce fonds pendant la saisie he're'ditale des immeubles du renonciateur.〕([#ここから割り注]土地のみに関する受贈者は贈与者の不動産の相続差押中は該地面の収益を要求することを得ず[#ここで割り注終わり])
狂言作者―― 〔on a e'gaye' l'ours.〕([#ここから割り注]作品は失敗した[#ここで割り注終わり])
役者―― j'ai fait four.([#ここから割り注]私は失敗した[#ここで割り注終わり])
哲学者―― 〔triplicite' phe'nome'nale.〕([#ここから割り注]現象の三重性[#ここで割り注終わり])
猟師―― voileci allais, voileci fuyant.([#ここから割り注]犬に対する特殊の掛け声[#ここで割り注終わり])
骨相学者―― 〔amativite', combativite', se'cre'tivite'.〕([#ここから割り注]愛情性、争闘性、隠密性[#ここで割り注終わり])
歩兵―― ma clarinette.([#ここから割り注]私の銃[#ここで割り注終わり])
騎兵―― mon poulet d'Inde.([#ここから割り注]私の馬[#ここで割り注終わり])
撃剣の教師―― tierce, quarte, rompez.([#ここから割り注]西洋の撃剣における姿勢の名[#ここで割り注終わり])
印刷人―― parlons batio.([#ここから割り注]符牒で話す[#ここで割り注終わり])
画家―― mon rapin.([#ここから割り注]私の弟子[#ここで割り注終わり])
公証人―― mon saute−ruisseau.([#ここから割り注]私の弟子[#ここで割り注終わり])
理髪師―― mon commis.([#ここから割り注]私の弟子[#ここで割り注終わり])
靴屋《くつや》―― mon gniaf.([#ここから割り注]私の弟子[#ここで割り注終わり])
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みな隠語である。厳密にいえば、そしてどうしてもそうだとしたければ、単に左と右とについても次のような種々のいい方は皆隠語である。
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水夫―― 〔ba^bord, tribord.〕([#ここから割り注]左舷、右舷[#ここで割り注終わり])
劇場の道具方―― 〔co^te'−cour, co^te'−jardin.〕([#ここから割り注]右側、左側[#ここで割り注終わり])
寺男―― 〔co^te' de l'e'pi^tre, co^te' de l'e'vangile.〕([#ここから割り注]右方、左方[#ここで割り注終わり])
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また上流の才女らの隠語もあれば、賤しい洒落女《しゃれおんな》らの隠語もある。ランブーイエ夫人の仲間においても、クール・デ・ミラクル一郭の乞食女《こじきおんな》らの仲間においても、大した違いはない。公爵夫人らの間にも隠語があることは、王政復古頃のきわめて身分の高い美しい一婦人が書いた艶文《つやぶみ》中の一句が証明している。Vous trouvrez dans ces 〔potains−la`〕[#「〔potains−la`〕」に左傍線] une foultitude[#「foultitude」に左傍線] de raisons pour que je me libertise.[#「me libertise.」に左傍線]([#ここから割り注]あなたはそれらの陰口のうちに、私がもうお交わりを絶たなければならないという理由を沢山見い出さるるでありましょう。[#ここで割り注終わり])また外交上の符牒も隠語である。法皇の秘書官はこういう隠語を使っている。
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ローマ……26.
使節……grkztntgzyal.
モデナ公……abfxustgrnogrkzutu xi.
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中世の医者らが、人蔘《にんじん》や大根や蕪菁《かぶら》のことを、opoponach, perfroschinum, reptitalmus, dracatholicum angelorum, postmegorum などといっていたのも隠語である。正直な砂糖製造人らが
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