ムをぼうぼうとさし、雨にぬれ、それで満足げな様子をしていた。
 少年は明らかに彼ら三人のだれをも知らなかったが、臆面もなくじろじろ見分けて、レーグル・ド・モーに言葉をかけた。
「あなたはボシュエさんですか。」と彼は尋ねた。
「それは僕の綽名《あだな》だ。」とレーグルは答えた。「何か用があるのか。」
「こうなんです。大通りで背の高い金髪の人が、君はユシュルー上《かみ》さんを知ってるかって私に言いました。知ってる、シャンヴルリー街の古手《ふるて》の後家さんでしょう、と答えると、こう言ったんです。『そこへ行ってくれ、ボシュエという人がそこにいるから、A――B――Cと僕が言ったと伝えてくれ。』だがそれだけのことだから、あなたをからかったんでしょうね。そして私は十スーもらいましたよ。」
「ジョリー、十スー貸してくれ。」とレーグルは言った。そしてグランテールの方を向いた。「グランテール、君も十スー貸してくれ。」
 それで二十スー集めて、レーグルはそれを少年に与えた。
「ありがとう。」と子供は言った。
「お前の名は何と言うんだ。」とレーグルは尋ねた。
「ナヴェといってガヴローシュの友だちです。」
「俺《おれ》たちといっしょにここにいるがいい。」とレーグルは言った。
「俺たちといっしょに食っていけ。」とグランテールは言った。
 少年は答えた。
「そうはいきません。私は行列にはいってるんです。ポリニャックを打ち倒せ[#「ポリニャックを打ち倒せ」に傍点]をどなる役目を持ってるんです。」
 彼はできるだけ丁寧な挨拶《あいさつ》をして後ろに長く足を引きずり、そして立ち去った。
 少年が出てゆくと、グランテールは口を開いた。
「あいつは生粋《きっすい》の浮浪少年だ。浮浪少年の間にも多くの種類がある。公証人の浮浪少年を使丁と言い、料理人のを下働《したばたらき》と言い、パン屋のを丁稚《でっち》と言い、従僕のを小使いと言い、水夫のを見習いと言い、兵士のを鼓手と言い、画家のを弟子《でし》と言い、商人のを小僧と言い、廷臣のを扈従《こじゅう》と言い、国王のを皇太子と言い、神のを神童というんだ。」
 その間レーグルは考え込んでいた。彼は半ば口の中で言った。
「A――B――C、すなわちラマルクの葬式と。」
「背の高い金髪の男は、」とグランテールが言った。「アンジョーラだ。君に知らしてよこしたんだ。」
「行っ
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