ところ》に積んであって、一つは鉄の類らしく、一つは繩《なわ》の類らしかった。すべてそういうありさまは、何が計画されてるかを知らない者には、至って気味悪くも感ぜられ、また同時に何でもないことのようにも感ぜられたろう。そして火に照らされてる室の中は、地獄の入り口というよりもむしろ鉄工場のようだった。しかしその光の中にいるジョンドレットは鍛冶屋《かじや》というよりもむしろ悪魔のような様子をしていた。
 火鉢の焼けている熱さは非常なもので、テーブルの上の蝋燭もその方面が溶けかかって、斜めに減っていきつつあった。ディオゲネスが凶賊カルトゥーシュに変じたとしたらそれにもふさわしいような、銅製の古い龕燈《がんどう》が一つ、暖炉の上に置いてあった。
 火鉢はほとんど消えた燃えさしのそばに炉の中に置いてあったので、炭火のガスは暖炉の煙筒の中に立ちのぼっていて、室《へや》には何らのにおいもひろがっていなかった。
 月は窓の四枚の板ガラスからさし込んで、炎の立ってるまっかな屋根部屋《やねべや》の中にほの白い光を送っていた。そして実行の刹那《せつな》にもなお夢想家であるマリユスの詩的な精神には、それがあたかも
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