はその言葉を聞き取った。
「死んだからって平等ということはねえんだ! ペール・ラシェーズの墓地を見てみろ。身分のある奴《やつ》らのは、金のある奴らのは、上手《かみて》の石の舗《し》いてあるアカシヤの並み木道にある。そこまで馬車で行けるんだ。身分の低い者、貧乏な者、不幸な者、なんかのはどうだ。みな下手《しもて》にある。泥が膝《ひざ》までこようって所だ、穴の中だ、じめじめしてる所だ。早く腐るようにそんな所へ入れられるんだ。墓まいりをするったって、地の中へめいり込むようにしなけりゃ行かれやしねえ。」
そこで彼はちょっと言葉を切って、拳《こぶし》でテーブルの上をたたき、歯ぎしりしながら付け加えた。
「ええ、世界中を食ってもやりてえ!」
四十歳くらいともまた百歳くらいとも見える太い女が、跣足《はだし》で暖炉のほとりにかがんでいた。
女もただ、シャツ一枚と、古ラシャのつぎのあたったメリヤスの裳衣一枚をつけてるだけだった。粗布の前掛けが裳衣の半ばを隠していた。彼女は腰を折ってかがんではいたが、背はごく高そうに見えた。亭主と比ぶれば大女だった。白髪交じりの赤茶けたきたない金髪を持っていたが、爪の
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