娘、すべての者は、性と血縁と年齢と醜悪と潔白との差別なく暗澹《あんたん》たる混乱のうちにからみ合い、あたかも鉱石が作らるるように一つに凝結する。互いに寄り合って運命の破屋の中にうずくまる。互いに悲しげに見合わせる。おお不運なる者らよ! いかに青ざめてることか。いかに冷えきってることか。われわれよりもはるかに太陽から遠い星の中にいるかのようである。
あの若い娘はマリユスにとって、暗黒の世界からつかわされたもののようであった。
彼女はマリユスに、暗夜の恐ろしい一面を開いて見せた。
マリユスは、今まで空想と情熱とに心奪われて、隣の者らには一瞥《いちべつ》をも与えなかったことを、自ら難じた。彼らの家賃を払ってやったことは、ただ機械的の行為で、人の皆なすところであろう。しかし彼マリユスは、なおよりよきことをなすべきではなかったろうか。人の住む境域を越えた暗夜のうちに手探りで生きてるそれらの捨てられたる人々は、ただ一重の壁でへだたっていたのみではなかったか。彼は彼らと肱《ひじ》をすれ合わしていた。彼こそはある意味において、彼らが触れ得る人類の最後の鎖の環《わ》であった。自分のそばに彼らが生
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