のであった。すべてを言えば、彼は静観の方面に傾きすぎるほどだった。ほとんど確実に食を得らるるに至った日から、彼はその状態に止めて、貧乏はいいことだとさとり、思索にふけるために仕事を節した。そして時によると、幾日も終日瞑想のうちに過ごし、幻を見る人のように、恍惚《こうこつ》と内心の光燿《こうよう》との無言の逸楽のうちに沈湎《ちんめん》していた。彼は生活の方式をこう定めた。無形の仕事にでき得る限り多く働かんがために有形の仕事にでき得る限り少なく働くこと。言葉を換えて言えば、現実の生活に幾時間かを与え、残余の時間を無窮のうちに投げ込むこと。彼は何らの欠乏をも感じなかったので、そういうふうに取り入れられた静観はついに怠惰の一形式に終わるということに、気づかなかった。生活の最初の必要に打ち勝ったのみで満足したことに、そしてあまりに早く休息したことに、気づかなかった。
明らかにわかるとおり、このように元気な殊勝な性質にとっては、それは一時の過渡期の状態にすぎなかった。そして宿命の避くべからざる葛藤《かっとう》に触るるや直ちに、マリユスは覚醒《かくせい》するであろう。
ところで、彼は弁護士になっ
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