ますマレーで隠退の生活を送るようになった。なお昔のとおり快活で激烈ではあったが、その快活さも悲しみと怒りを含んでるかのように痙攣的《けいれんてき》の峻酷《しゅんこく》さを帯び、その激烈さも常に一種の静かな陰鬱《いんうつ》な銷沈《しょうちん》に終わった。時とすると彼は言った、「ああ、もし帰ってきたら、したたか打ってやるんだが!」
 伯母《おば》の方は、そう深く考えてもいず、そう多く愛してもいなかった。彼女にとっては、マリユスはもはやただ黒いぼんやりした映像にすぎなかった。そしてついには、おそらく彼女が飼っていたに違いない猫《ねこ》か鸚鵡《おうむ》ほどにもマリユスのことを気にとめなかった。
 ジルノルマン老人のひそかな苦しみがいっそう増した所以《ゆえん》は、彼がそれを全部胸のうちにしまい込んで少しも人に覚《さと》られないようにしたからである。彼の苦しみは新しく発明されたあの自ら煙をも燃やしつくす竈《かまど》のようなものだった。時とするとよけいな世話やきの者らがマリユスのことを持ち出して、彼に尋ねることもあった。お孫さんは何をなさいました?……あるいは、どうなられました? すると老人は、あま
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