《らせん》を徐々に下ってゆくこともあった。
彼は昔の仲間を思い起こした。彼らはいかにみじめな者らであったか。夜明けに起き上がって夜まで働いていた。眠ることもろくろくできなかった。畳寝台《たたみねだい》の上に寝かされ、許されてるものはただ厚さ二寸のふとんだけで、室は大寒の候にだけしかあたためられていなかった。恐ろしい赤い獄衣を着ていた。ただ恩典としては、酷暑の折りに麻のズボンをつけ、酷寒の折りに毛織の短衣を背中に引っ掛けることだけだった。「労役」に行く時のほかは、酒も飲めず肉も食えなかった。もはや名前も持たず、ただ番号でばかり呼ばれ、言わば数字に化せられてしまって、目を伏せ、声を低め、髪を短く刈られ、棍棒《こんぼう》の下に、汚辱のうちに、彼らは生きていたのである。
それから彼の考えは、眼前の人々の上に戻ってきた。
それらの人々もまた、髪を短く刈られ、目を伏せ、声を低め、汚辱のうちにではないが、世間の嘲笑《ちょうしょう》のうちに、背中を棍棒によって傷つけらるることはないが、肩を苦業のために引き裂いて、生きていたのである。彼らに取ってもまた、世俗の名前はなくなっていた。おごそかな呼び名
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