道院の寄宿生になるについて、そこの生徒服を着なければならなかった。ジャン・ヴァルジャンは[#「ジャン・ヴァルジャンは」は底本では「ジャンン・ヴァルジャンは」]彼女が脱ぎ捨てた着物をもらうことができた。それはテナルディエの飲食店を出る時彼が着せてやったあの喪服だった。まだそういたんではいなかった。ジャン・ヴァルジャンはその着物や毛糸の靴下や靴にまで、たくさんの樟脳《しょうのう》や修道院にいくらもある各種の香料などをふりかけて、どうにか手に入れた小さな鞄《かばん》の中に納めた。そしてそれを寝台のそばの椅子《いす》の上に置いて、いつもその鍵《かぎ》を身につけていた。コゼットはある日彼に尋ねた。「お父さん、あんなにいいにおいのするあの箱は、ほんとに何なの?」
 フォーシュルヴァン爺《じい》さんは、前に述べてきたとおりの自ら知らない光栄のほかに、なおいろいろその善行の報いを得た。第一には、心に喜びを感じていた。次には、仕事が二つに分けられるのでよほど楽になった。最後に、彼は非常に煙草《たばこ》が好きだったが、マドレーヌ氏がいるために、以前よりは三倍も多く吸うことができ、しかもマドレーヌ氏が金を払
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