鶴嘴《つるはし》と※[#「金+産の旧字体」、第3水準1−93−37]《くわ》を持ってきたよ。」
 グリビエは呆然《ぼうぜん》として彼をながめた。
「ああ君か。」
「そして明日《あす》の朝、墓地の門番の所へ行ってみなさい、お前さんの札があるから。」
 彼は※[#「金+産の旧字体」、第3水準1−93−37]と鶴嘴とを下に置いた。
「いったいどうしたと言うんだ。」とグリビエは尋ねた。
「なあに、お前さんはポケットから札を落としたのさ。お前さんが行ってしまってから、地面に落ちてるのを私は見つけたんだ。死骸《しがい》は埋めるし、墓穴はいっぱいにするし、お前さんの仕事はすっかりしておいた。札は門番が返してくれるだろう。十五フラン払わんでもいいよ。わかったかね。」
「そいつあありがたい!」とおどり上がってグリビエは叫んだ。「こんどは、俺《おれ》が酒の代を払うよ。」([#ここから割り注]訳者注 章題の札をなくすなとは狼狽するなという意味にもなる[#ここで割り注終わり])

     八 審問の及第

 それから一時間の後、まっくらな夜の中を、二人の男と一人の子供とが、ピクプュス小路の六十二番地に現われ
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