んです。だれかが死ぬと、いつも集会があります。今の人は夜明けに死にました。死ぬのはたいてい夜明けなんです。がとにかくあなたは、はいってきた所から出て行くわけにはいきませんか。これはこと更お尋ねするわけではありませんよ、ただはいってきた所から出て行くわけには?」
 ジャン・ヴァルジャンは青くなった。あの恐ろしい街路へまた出て行くことは、考えただけでもぞっとした。虎《とら》がいっぱいいる森から出て、やっと外にのがれたかと思うと、またそこにはいってゆけと勧められたようなものだった。まだその一郭には警察の者らがうようよしている、警官は見張りをしているし、番兵は至る所に立っているし、恐ろしい拳《こぶし》は彼の襟首《えりくび》をねらっているし、ジャヴェルもおそらく四つ辻《つじ》の片すみに待ち受けているだろう、そうジャン・ヴァルジャンは想像していた。
「それはできない!」と彼は言った。「フォーシュルヴァン爺《じい》さん、まあ私は天から落ちてきたとしておいてもらいたい。」
「ええ私はそう思ってます、そう思ってますとも。」とフォーシュルヴァンは言った。「そんなことはおっしゃらなくともよろしいですよ。神様
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