きます。夕食をする前に面紗《かおぎぬ》を寝床に置きに行く時、枕の下にそっと押し込んでおき、晩になって寝床の中で食べます。もしそれができない時は、厠《かわや》の中で食べます。」――そういうことが彼女らの最も強い楽しみであった。
 ある時、それもやはり大司教がこの修道院を訪れた時のことであったが、有名なモンモランシー家に多少縁故のあるブーシャール嬢という若い娘が、一日の休暇を大司教に願ってみるから賭《かけ》をしようと言い出した。かくも厳格な会派ではそれは異常なことだった。賭は成り立った。そして賭に加わった者一人として、そんなことができようとは思っていなかった。ところがいよいよその時になって、大司教が寄宿生らの前を通る時に、仲間の者が名状すべからざるほど恐れてるなかをブーシャール嬢は列から離れて、そして言った。「閣下、一日休みを下さいませ。」ブーシャール嬢は背が高く生々《いきいき》とした姿でこの上もなくかわいい薔薇色《ばらいろ》の顔つきをしていた。大司教のケラン氏はほほえんで言った。「一日とはまたどうしてです[#「一日とはまたどうしてです」に傍点]。三日でもいいでしょう[#「三日でもいいでし
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