の前で祭式を歌う。ある日一人の歌唱の長老が、エッケ[#「エッケ」に傍点](ここに)の語で初まってる賛歌を、エッケ[#「エッケ」に傍点]の代わりにド[#「ド」に傍点]、シ[#「シ」に傍点]、ソ[#「ソ」に傍点]という三つの音符を大声に言って、その不注意のために祭式の間じゅう報罪を受けたことがある。その過失を特に大きくしたわけは、会衆がそれを笑ったからであった。
 修道女が応接室に呼ばれる時には、それがたとい院長であろうと、前に述べたとおり、口だけしか見えないように面紗《かおぎぬ》を顔の上に引き下げる。
 院長だけが他人に言葉を交じうることを許されている。他の者はごく近親の者にしか会うことができなくて、それもまたきわめてまれにしか許されない。もしふいに俗世の者がやってきて、俗世において知り合いであったかまたは愛したかした一人の修道女に会うことを求める時には種々の交渉が必要である。それが女である場合には、時としては許可されることもある。修道女はやってきて板戸越しに話をする。板戸は母かまたは姉妹にしか開かれない。男には決して面会を許されないのは言うまでもないことである。
 上のようなのがすなわ
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