ュも戦死していた。第五と第六との両師団は粉砕されていた。
ウーゴモンは危うく、ラ・エー・サントは奪われ、今はただ中央の一節《ひとふし》が残ってるのみだった。その一節はなお支持されていて、ウェリントンはそこに兵員を増加した。彼はそこに、メルブ・ブレーヌにいたヒルを呼び、ブレーヌ・ラルーにいたシャッセを呼び寄せた。
イギリス軍のその中央は、少し中くぼみの形になっていて、兵員は密集し、強固に陣を固めていた。それはモン・サン・ジャンの高地を占めていて、背後に村落を控え、前には当時かなり険しかった斜面を持っていた。そして堅固な石造の家屋を後ろに負っていた。その建物は当時ニヴェルの領有であって、道路の交差点の標《しるし》になっており、十六世紀式の建築で、砲弾もそれに対してはただはね返るのみで破壊し得なかったほど頑丈《がんじょう》にできていた。高地の周囲には、イギリス軍はここかしこに生籬《いけがき》を切り倒し、山※[#「木+査」、第3水準1−85−84]《さんざし》の間に砲眼をこしらえ、木の枝の間に砲口を差し入れ、荊棘《いばら》のうちに銃眼をあけていた。その砲兵は茂みの下に潜められていた。その奸
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