深いおしゃべりを田舎言葉《いなかことば》でやり出した。彼はくどくどと、老年であること、身体がよくきかないこと、以前より二倍も骨が折れること、仕事もしだいに多くなること、庭の広いこと、たとえば昨夜のように月のいい晩には瓜畑《うりばたけ》の上に蓆《こも》をかぶせてやらなければならなかったりして夜明かしをすること、いろいろ並べ立ててからついに言い出した。自分には一人の弟がある――(院長はちょっと身を動かした)――けれどもう年取っている(院長はまた身を動かしたが、それは安心の身振りだった)――もし許されるなら、弟にきてもらっていっしょに住んで助けてもらいたい。弟はすぐれた園丁である。弟は自分よりははるかに会衆の役に立つに違いない。――もしまた、弟が許されないようなことになると、それより年上である自分の方は、全く弱り切ってしまってるので、仕事にたえられなくて、非常に残念ではあるが、暇を頂かなければならないかも知れない。――弟には小さな娘が一人あるので、それを連れて来るだろう。そしたらここで神様のもとに育てられて、あるいは後に一人の修道女とならないとも限らない。
彼がそういう話をしてしまった時に、院長は大念珠を爪繰《つまぐ》るのをやめて、そして言った。
「今から晩までのうちに、丈夫な鉄の棒を一本手にいれることができるでしょうか。」
「なにになさるのでございますか。」
「物を持ち上げるためです。」
「承知いたしました、長老様。」とフォーシュルヴァンは答えた。
院長はその他には一言も言わずに、立ち上がって、隣の室にはいって行った。そこは集会の室《へや》で、たぶん声の母たちが集まっていたのであろう。フォーシュルヴァンは一人取り残された。
三 イノサント長老
約十五分ばかり過ぎた。修道院長は戻ってきて、椅子《いす》にまた腰掛けた。
二人とも何かに頭を満たされてるようだった。今ここに、二人の間にかわされた対話をできる限りそのまま速記してみよう。
「フォーヴァン爺《じい》さん。」
「長老様。」
「お前は礼拝堂を知っていますね。」
「礼拝堂に私は、弥撒《ミサ》や祭式を聞きます自分の小さな席を持っております。」
「それから用のために歌唱の間《ま》へはいったこともありますね。」
「二、三度ございます。」
「あそこの石を一枚上げるのです。」
「あの重い石でございますか。」
「
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