として、地上にはある種の人――それは果して人であるか?――がいる。彼らは夢想の地平の奥の絶対境の高地を明らかに認め、無限の山の恐ろしい幻を見る。しかしビヤンヴニュ閣下はそういう人々の一人ではなかった。彼は天才ではなかった。彼はその高遠なる境地を恐れた。ある者は、そしてスウェデンボルグやパスカルのごとき偉大なる人さえも、その境地から転落して正気を失ったのであった。確かにそれらの力強い夢想は精神的効果を有する、そしてその険しい道によって人は理想的完全の域に近づく。しかし司教は簡略な道を選んだ、すなわち福音の道を。
彼はおのれの法衣にエリアの外套の襞《ひだ》をつけさせようとは少しもしなかった。([#ここから割り注]訳者注 旧約エリアの故事、――彼はエリアの衣鉢を継がんとはしなかった[#ここで割り注終わり])彼は事変の暗黒な大浪の上に何ら未来の光明を投じようとはしなかった。彼は事物の輝きを凝集さして火炎たらしめようともつとめなかった。彼は何ら予言者の趣もまたは魔術師の趣も持たなかった。彼の素純なる魂はただ愛した、それがすべてであった。
彼が超人間的な希願にまでその祈祷を高めていったというな
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