雅」の彼女は答えた。
わが友よ、あなたがよく思い出されましたあの客間の片隅《かたすみ》で、私はあなたのお手紙を受け取りました。そして物を読むときによく私がいたしますように、お手紙をときどき休ませ、自分でもときどき休みながら、読んでゆきました。お笑いなすってはいけません。それは手紙が長くつづくようにといたしたのですから。そういうふうにして私はあなたと午後じゅうを過ごしました。子供たちは私が何を読みつづけているのか尋ねました。私はあなたのお手紙だと申しました。オーロラは気の毒そうに手紙をながめまして、「こんな長い手紙を書くのはさぞ嫌《いや》なことでしょうね、」と申しました。それで私は、私があなたに罰の課業として手紙を書かしたのではなくて、私とあなたとはいっしょに話をしてるのだということを、彼女に言ってきかせました。彼女はなんとも言わないで私の言葉を聞いていましたが、それから弟といっしょに次の室へいって、遊んでいました。しばらくたってリオネロが大声を出しますと、オーロラがこう申しているのが聞こえました。「騒いじゃいけません。お母さまがクリストフさんとお話をしていらっしゃるから。」
あな
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