い宗教上の儀式をしっかりと堪えることができた。そしてコレットの家へもどるや否や、我にもなく力がつきてしまった。ようやく一室に閉じこもるだけの余裕しかなかった。そして気を失った。一人の下男が気を失ってる彼を見つけた。クリストフは我に返ったが、その晩、旅に出る新婚の二人へは、それを知らせることを禁じた。二人は自分のことばかりに気を奪われていて、他のことは何にも気づかなかった。二人は明日……明後日……手紙を上げると約束しながら、快活に彼と別れた。
 二人が出発してしまうとすぐに、クリストフは床についた。熱が出てもう下がらなかった。彼は一人きりだった。エマニュエルも病気で来ることができなかった。クリストフは医者を迎えなかった。心配な容態だとは思っていなかった。それに、医者を呼びにやる召使もいなかった。毎朝二時間ずつやって来る家政婦は、彼に同情を寄せていなかった。そのうえ、彼はその世話をもなくしてしまうようなことをした。彼女が室を片付けるときには、紙類にさわらないようにと彼は幾度も頼んでおいた。彼女は強情だった。今や彼が枕《まくら》から頭が上がらなくなったので、自分の思いどおりにする時機が来たの
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