なかった。たがいに相手を害するのを恐れていた。そして攻撃してくるのはいかにも親愛な手だったので、相手に与える打撃よりも相手から受ける打撃のほうをうれしがった。二人は物珍しげに観察し合って、相手の欠点を捜しながらもその欠点に心ひかれていた。しかしそうだとは認めたがらなかった。どちらも、クリストフと二人きりになると相手を我慢のならない人物だと言い張っていた。それでもやはり、クリストフが二人を会わしてくれる機会をのがさずに利用していた。
 ある日オーロラはクリストフのところに来ていて、つぎの日曜の午前にまた来ると言っていた。――そこへジョルジュが、例のとおり風のように飛び込んできて、つぎの日曜の午後に来るとクリストフに告げた。その日曜の午前中、クリストフはオーロラから無駄《むだ》に待たされてた。ジョルジュが指定した時間になって、彼女はようやくやって来ながら、もっと早く来るはずだったのを邪魔されたと詫《わ》びた。かわいい口実をこしらえていた。クリストフは彼女の罪のない策略を面白がって、彼女へ言った。
「それは残念だった。ジョルジュに会えるところだったのに。ジョルジュが来て私たちはいっしょに昼飯
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