しい蔑視《べっし》と、子供にたいする愛とだけが、なお残ってるばかりだった。愛したい欲求がことごとく注ぎ込まれてるその愛情のために、彼女は子供にたいしてまったく無力となった。彼女はジョルジュの気紛れに逆らうことができなかった。自分の気弱さを弁解するためには、オリヴィエにたいする罪をこれで償ってるのだと考えた。激しい愛情の時期と懶《ものう》い冷淡の時期とが交々《こもごも》やってきた。あるいは落ち着かない気むずかしい愛情でジョルジュを飽かせることがあったし、あるいは彼に飽きはてたがようにそのなすままに任せることがあった。彼女は自分がよくない教育者であることを知っていて、それを苦にしたが、しかし何一つやり方を変えなかった。行為の原則をオリヴィエの精神に合致させようとしても(それもごくまれにしか試みなかったが)、結果はあまりあがらなかった。そういう道徳上の悲観主義は、彼女にもまた子供にも適しなかった。要するに彼女は、愛情の権力以外の権力を子供にたいしてもちたくなかった。そしてそれは誤りではなかった。なぜなら、この二人はいかにも似寄ってはいたけれど、その間には心よりほかの繋《つな》がりはなかった。
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