、彼はただちに見てとっていたのである。しかし彼はまた、彼らを引きずってゆく運命的な力をも見てとっていた。クリストフまでが知らず知らず水の流れに従ってることを、彼は気づいた。流れに運ばれるのを本望としてる彼については、流れのほうで好まなかった。彼は岸に残ったままで、水の流れ行くのをながめていた。
 それは強い流れだった。たがいに押し合いぶつかり合い融《と》け合って、湧《わ》き立つ泡《あわ》や衝突する渦巻《うずまき》をこしらえてる、熱情と利害と信念との巨大な塊《かたまり》を、その流れは押し起こしていた。首領らがその先頭に立っていた。彼らはあとから押し進められてたのだから、皆のうちでもっとも自由でなかった。またおそらく皆のうちで、もっとも信じていない連中だった。彼らも以前は信じたことがあった。そして、彼らがあれほど嘲笑《あざわら》った牧師らのように、昔の祈誓の中に信仰の中に閉じこめられて、それを最後まで主張しなければならなくなっていた。彼らのあとにつづいてる群集の大部隊は、兇暴で不確信で浅見《せんけん》だった。その大多数の者は、流れが今はそれらの理想郷へ向かってるからというので偶然に信じてる
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